25日の日韓戦(日産)。2017年と2019年のE-1選手権(日本・韓国)で連敗している宿敵・韓国に対し、日本は必勝を期して挑んだ。
「負けられない、絶対に勝たなければいけない試合。こういうのは今の時代にそぐわないかもしれないけど、足が折れてもとか、身体が壊れてもぶつかっていかないといけない」とキャプテン・吉田麻也(サンプドリア)も試合前に闘志を奮い立たせていた。その闘争心と攻守の切り替えと連動性が序盤から出て、日本はシュート数19対6と相手を圧倒。代表デビューの山根視来(川崎)、ドイツで活躍中の鎌田大地(フランクフルト)と遠藤航(シュツットガルト)のゴールで3-0と圧勝。2011年8月の札幌ドームでの一戦の再現を果たした。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c9a6b85f950b88e0e35a96ac7cbafbfa8234c49f
「負けられない、絶対に勝たなければいけない試合。こういうのは今の時代にそぐわないかもしれないけど、足が折れてもとか、身体が壊れてもぶつかっていかないといけない」とキャプテン・吉田麻也(サンプドリア)も試合前に闘志を奮い立たせていた。その闘争心と攻守の切り替えと連動性が序盤から出て、日本はシュート数19対6と相手を圧倒。代表デビューの山根視来(川崎)、ドイツで活躍中の鎌田大地(フランクフルト)と遠藤航(シュツットガルト)のゴールで3-0と圧勝。2011年8月の札幌ドームでの一戦の再現を果たした。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c9a6b85f950b88e0e35a96ac7cbafbfa8234c49f
遠藤と絶妙な距離感を見せた守田。得点こそなかったものの勝利に大きく貢献した大迫
試合前にも指摘したが、今回は長友佑都と酒井宏樹(ともにマルセイユ)の両サイドバック(SB)とボランチの柴崎岳(レガネス)が不在。1トップ・大迫勇也(ブレーメン)も所属クラブでインサイドハーフ起用が多く、出番もあまり得られていない状況で、パフォーマンスが不安視されていた。
ところがふたを開けてみると、SBに関しては初キャップの右サイド・山根が躍動。タテ関係の伊東純也(ゲンク)とどちらが幅を取るかを意思疎通しながら判断し、臨機応変に攻撃参加していく場面が目についた。守備に関しても、韓国左サイドのナム・テヒ(アル・サッド)やホン・チョル(蔚山現代)と対峙しても1対1で負けず、ピンチを未然に防いでいた。伊東の献身的守備に助けられた部分もあったが、年代別代表含めて日の丸未経験の選手がここまでできれば文句なしだろう。
「まだ一歩を踏み出したばかり。海外組の強度をこの活動で知れていい刺激になっている」と本人は謙虚な物言いだったが、酒井宏樹と室屋成(ハノーファー)との競争に名乗りを挙げたのは確かだ。
左の佐々木翔(広島)も南野拓実(サンプドリア)とのタテ関係で連動した攻め上がりを再三見せるなど、攻撃面でインパクトを残した。2019年11月のベネズエラ戦(吹田)で4失点大敗した頃は攻守両面で不安定さが垣間見られたが、今回は安心して見ていられるプレーぶりだった。長友も「自分と同じタイプを探そうと思うから難しくなる」と話していたことがあったが、長身で競り合いに強い佐々木はまた違った使い方ができそうだ。それをアピールできたのは本人にとっても大きかったのではないか。
一方、ボランチに関しては守田と遠藤の距離感が絶妙だった。遠藤のデュエルの強さ、ボール奪取力は折り紙付きで、この日も要所要所でいい仕事をしていたが、守田もポルトガル仕込みの球際の強さを披露。的確な読みでボールを奪ってカウンターにつなげたり、タテへの思い切ったパス出しも光った。何本か打ったシュートは枠を外したり、GK正面に飛んだりして得点には至らなかったが、「ボランチだからシュートを決めなくていいということではない」と発言した通りの積極性を示したのも大きかった。
この日の一挙手一投足を見る限りでは、柴崎と同等かそれ以上のパフォーマンスを出せる手応えは掴めただろう。ただ、今回の韓国はフルメンバーでなかった部分、やりやすかったのは確か。だからこそ、より強度や重圧の高い試合での対応力を養うことが今後のテーマになってくる。ポルトガルで実績を積み重ねれば、その領域に到達できるはず。代表4試合目にして彼は大きな一歩を踏み出したと言っていい。
1トップの大迫に関しては、前線でしっかりとタメを作り、山根の先制弾、鎌田の2点目をお膳立てするなど、本来の彼らしいプレーを見せてくれた。本人も「今日は楽しい試合でした」と会心の笑みをのぞかせるほど充実感を抱いた様子だったが、森保一監督も前線の大黒柱健在を確認して大いに安堵したのではないか。
ただ、やはり大迫がいなければ、あそこまで連動した攻撃が繰り出せないのも事実。鎌田の2点目のシーンに象徴される通り、大迫が3枚の敵を引き付けてスペースを作ったからこそ、鎌田はDFと1対1になり、余裕を持ってフィニッシュに行けた。そういう黒子の役割を確実にこなせるFWは今のところ彼しかいない。スピードスターの浅野拓磨(パルチザン)は相手が落ちた終盤に出ると威力を発揮するが、味方を落ち着かせるタイプではない。それは今回招集されなかった鈴木武蔵(ベールスホット)にしても同じだ。「ポスト大迫問題」は先送りになったと言える。
こうしたA代表の奮闘を目の当たりにしたU-24日本代表には、今日26日のU-24アルゼンチン戦(東京)で高い強度と連動性、個々の躍動が求められるところ。とりわけ、山根や守田が活躍を受ける形の右サイド・菅原由勢(AZ)やボランチの中山雄太(ズウォーレ)はひと際高いパフォーマンスを示さなければならない。1トップ候補の田川亨介(FC東京)も上田綺世(鹿島)や前田大然(横浜)らライバルがいない今こそチャンスをモノにする必要がある。
彼らの目先の目標は4か月後の東京五輪だが、その先にはA代表定着、2022年カタール・ワールドカップが待っている。それを忘れず、高い意識を持った戦いを楽しみに待ちたい。
ところがふたを開けてみると、SBに関しては初キャップの右サイド・山根が躍動。タテ関係の伊東純也(ゲンク)とどちらが幅を取るかを意思疎通しながら判断し、臨機応変に攻撃参加していく場面が目についた。守備に関しても、韓国左サイドのナム・テヒ(アル・サッド)やホン・チョル(蔚山現代)と対峙しても1対1で負けず、ピンチを未然に防いでいた。伊東の献身的守備に助けられた部分もあったが、年代別代表含めて日の丸未経験の選手がここまでできれば文句なしだろう。
「まだ一歩を踏み出したばかり。海外組の強度をこの活動で知れていい刺激になっている」と本人は謙虚な物言いだったが、酒井宏樹と室屋成(ハノーファー)との競争に名乗りを挙げたのは確かだ。
左の佐々木翔(広島)も南野拓実(サンプドリア)とのタテ関係で連動した攻め上がりを再三見せるなど、攻撃面でインパクトを残した。2019年11月のベネズエラ戦(吹田)で4失点大敗した頃は攻守両面で不安定さが垣間見られたが、今回は安心して見ていられるプレーぶりだった。長友も「自分と同じタイプを探そうと思うから難しくなる」と話していたことがあったが、長身で競り合いに強い佐々木はまた違った使い方ができそうだ。それをアピールできたのは本人にとっても大きかったのではないか。
一方、ボランチに関しては守田と遠藤の距離感が絶妙だった。遠藤のデュエルの強さ、ボール奪取力は折り紙付きで、この日も要所要所でいい仕事をしていたが、守田もポルトガル仕込みの球際の強さを披露。的確な読みでボールを奪ってカウンターにつなげたり、タテへの思い切ったパス出しも光った。何本か打ったシュートは枠を外したり、GK正面に飛んだりして得点には至らなかったが、「ボランチだからシュートを決めなくていいということではない」と発言した通りの積極性を示したのも大きかった。
この日の一挙手一投足を見る限りでは、柴崎と同等かそれ以上のパフォーマンスを出せる手応えは掴めただろう。ただ、今回の韓国はフルメンバーでなかった部分、やりやすかったのは確か。だからこそ、より強度や重圧の高い試合での対応力を養うことが今後のテーマになってくる。ポルトガルで実績を積み重ねれば、その領域に到達できるはず。代表4試合目にして彼は大きな一歩を踏み出したと言っていい。
1トップの大迫に関しては、前線でしっかりとタメを作り、山根の先制弾、鎌田の2点目をお膳立てするなど、本来の彼らしいプレーを見せてくれた。本人も「今日は楽しい試合でした」と会心の笑みをのぞかせるほど充実感を抱いた様子だったが、森保一監督も前線の大黒柱健在を確認して大いに安堵したのではないか。
ただ、やはり大迫がいなければ、あそこまで連動した攻撃が繰り出せないのも事実。鎌田の2点目のシーンに象徴される通り、大迫が3枚の敵を引き付けてスペースを作ったからこそ、鎌田はDFと1対1になり、余裕を持ってフィニッシュに行けた。そういう黒子の役割を確実にこなせるFWは今のところ彼しかいない。スピードスターの浅野拓磨(パルチザン)は相手が落ちた終盤に出ると威力を発揮するが、味方を落ち着かせるタイプではない。それは今回招集されなかった鈴木武蔵(ベールスホット)にしても同じだ。「ポスト大迫問題」は先送りになったと言える。
こうしたA代表の奮闘を目の当たりにしたU-24日本代表には、今日26日のU-24アルゼンチン戦(東京)で高い強度と連動性、個々の躍動が求められるところ。とりわけ、山根や守田が活躍を受ける形の右サイド・菅原由勢(AZ)やボランチの中山雄太(ズウォーレ)はひと際高いパフォーマンスを示さなければならない。1トップ候補の田川亨介(FC東京)も上田綺世(鹿島)や前田大然(横浜)らライバルがいない今こそチャンスをモノにする必要がある。
彼らの目先の目標は4か月後の東京五輪だが、その先にはA代表定着、2022年カタール・ワールドカップが待っている。それを忘れず、高い意識を持った戦いを楽しみに待ちたい。
対策されて他の戦術もないから無理